家ではどんな練習をしたらいい?
上達したい、いい絵が描きたいという思いはみんな同じ。
でも、「どんな練習をしたらいいんだろう」と悩んでいる方も多いと思います。
今回は、練習方法の一例をあげてみます。
今、悩んでいる方はよかったら参考にしてみてくださいね。
たとえば部屋にあるものをモチーフに描いてみたとします。
できあがった絵をみると、なんかヘン。
そんなとき、「まだまだ実力が足りない。練習だ」と思う前に、
自分の絵を今一度分析してみましょう。
「練習」の一言で片付けない
うまく描けないものがあるとき、つい「練習すればなんとかなる」とか
「とにかくいっぱい描けばうまくなる」と考えてしまいがちですが
ここはもう一歩すすんだ考え方をしてみましょう。
「次からどうしたらいいか」をできる限り具体的にしていくのです。
「なんかヘン」という絵になってしまったときは、その絵をよくみて
【1】違和感のあるところを書き上げてみます。
【2】どうしたらそれがよくなるのか、解決策を書き上げてみます。
【3】余裕があれば、なぜそうなってしまったのか原因を書き上げてみます。
という形で分析していきます。
うまく描けなかったときほど、「とりあえず練習だ~」ではなく、
しっかりと分析するようにします。
くわしく解説していきます
たとえば、Aさんが静物を描いてみたけれど、どうもおかしい場合。
その絵をよくみてみると「輪郭がゆがんでいる」という点に気づきました。
さあ、ここから分析していきます。
1 問題をしぼる
輪郭がゆがんでいるのなら、
「輪郭のどの部分」がゆがんでいるかをよくみるようにします。
ほとんどの場合、輪郭がすべておかしいということはありません。
必ず「ゆがんでいる部分」があります。
どこがゆがんでいるか、そこを特定します(複数の場合もあります)。
2 どうしたらよくなるのか、解決策
ゆがんでいる部分がわかったら、今度は「どうゆがんでいるか」をみます。
たとえば、「線が実際よりも内側に入っているからゆがんでみえる」など、
どのようにゆがんでいるかを書き出します。
あわせて、解決策も書いてみます(自分なりのアイデアで構いません)。
この場合でしたら、
次回は「線が内側に入らないように気をつけて描くこと」、
「チェックするときにも、そこを気をつけて見るようにする」ぐらいでも
よいと思います。
3 原因をさぐる
余裕があれば、「どうしてゆがんでしまったのか」という原因を考えてみます。
Aさん、思い出してみると、そこのラインは
描くときに窮屈な感じで描きづらかった記憶があります。
となると、なぜ窮屈な感じで描きづらかったのか。次のポイントはここです。
上であげた解決策とは違ったアプローチが出てくるかもしれません。
4 原因をさぐる2
なぜ「窮屈で描きづらかった」のかを考えてみます。
たとえば、
・描く姿勢に問題があったのか
・もともと、この方向のラインが苦手だったのか
・何らかのクセがあるのか
・道具に問題があったのか
など、原因をピックアップしていって、それをつぶしていくようにします。
原因がわかれば、解決方法もみえやすくなってきます。
目的を持った練習に
今回は、輪郭線のゆがみを例にあげましたが、どんな絵を描いている場合も
分析の仕方は同じです。
「どこが、どのように、どうして」をキーに探っていきます。
「ひたすら描く、たくさん描く」ことも大切ですが、
こうした「自分の絵から課題をみつけて解決していく」ことも大切だと思います。
漠然とした練習を重ねるよりも、しっかり目的意識を持って練習できるので
上達も実感しやすいと思います。練習方法で迷っている方はぜひとも。
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