figure-drawingについて
このサイトにあるfigure-drawing(人を描く、人物画)は、
いわゆる水彩画のスタンダードとは少し違ったアプローチをしています。
先にいっておきますと、
figure-drawingのfigureは、人形や模型の「フィギュア」ではありません(笑)。
「人物(または人物の絵)」という意味です。
(ちなみに、figure-drawingは教室ではやりません。)
なぜこのスタイルか
もともとはリアルタッチ(実物そっくりに描くスタイル)で
人物を描いていたのですが、描いているうちに
自分の中でなんだか物足りないなあという部分があったのです。
なぜなら、心ひかれた表情やまなざしを描きたい。
それが人を描きたいと思う動機だったからです。
モデルさんや人にポーズを取ってもらうと、なかなかそうはいきません。
なんというか、自分が心ひかれる表情やまなざしというのは
動いている中でみられるもの、その瞬間だけのものなのです。
どれも日常の中にある、瞬間瞬間のものですから
「ちょっとそのままにしていて!今描くから!」なんてことはできません(笑)。
そこで考えたのが、そうした表情やまなざしを記憶にとどめ、
それをもとに「ひとをつくる」ということでした。
見たものからつくりあげていく
心ひかれた表情やまなざしを記憶しておいて、それを絵に落とし込む。
髪型も顔のつくりも、それにあわせてつくっていく。
figure-drawingはそんなスタイルで描いています。
もしかしたらこれは、「私たちが水彩を好きになった理由」で書いた
「みたものから世界をつくりあげていく」の
1つのアプローチともいえるかもしれません。
一般の水彩画でいう「人物画」と見てくれはずいぶんと違うと思いますが、
人という「形」ではなく「ひとを描きたい」という思いで描いています。
↑こういうタッチの絵でも、
心ひかれた表情をもとに描いています(笑)。
今回はちょっとした制作秘話でした。
では、今日もたのしみましょう。
Your Message